紙パック式掃除機の排気について:概要
現在、国内で主にコード式の紙パック式掃除機を発売しているメーカーとして、日立、パナソニック、東芝、三菱電機、シャープの5社があります。総じて、紙パック式の排気のきれいさについては紙パックを使用しないサイクロン掃除機(コード式)よりも劣る機種が多いです。その理由として下記のものが挙げられます。
- 紙パック式掃除機自体の種類が減少し、プレミアムタイプがなくなってきたこと
- 小型軽量化され、フィルターも高密度のものが使いにくくなった
紙パック式掃除機自体の種類が減少し、プレミアムタイプが少なくなった
現在はコードレススティッククリーナーが主流となってきており、紙パック式は特に東芝やパナソニックで減少傾向にあります。以前は非常に排気のきれいな紙パック式はたくさんありましたが、単価の高いプレミアムタイプのクリーナーは各社コードレススティッククリーナーにシフトし、紙パック式は平均価格帯のものが根強く残っている状況です。
小型軽量化され、フィルターも高密度のものが使いにくくなった
コードレスクリーナーが人気の影で、既存のキャニスタークリーナーも小型軽量化の波がここ数年でやってきました。パワー(吸込仕事率)を落とす代わりに、軽くて使いやすい機種というものが増えています。紙パック式掃除機の構造として、紙パック自体がゴミ袋兼、排気を良くするためのフィルターでもあり、さらに後方には紙パックを通過してしまった微細なゴミを受け止めるためのフィルターが装着されています。
このフィルターは枚数が多いほど、また密度を細かくするほど掃除機自体のパワーの低下を招きますので、初期の吸込仕事率が低くなった現行機種の多くはあまり良いフィルターをつけることができなくなっています。排気よりもなによりも、掃除機が吸ってくれないほうがユーザーとしては不満です。
排気のきれいな紙パック式掃除機をランキングで紹介
第1位:日立 かるパック CV-KP900G

国内の紙パック式掃除機で現在最も排気のきれいなものとして、日立のCV-KP900Gがナンバーワンとなります。
排気のレベルは「0.3~10μmの微細なゴミを99.999%キャッチ」となっており、これはPM2.5(約1.2~2.5μmの微粒子)を大きく下回る、圧倒的なクリーン排気です。
測定方法が国際電気標準会議(IEC)基準に準拠していることもポイントで、自社ではなく第三者機関で測定しているので信頼性がより高くなります。
CV-SP900Gは日立で最上位の紙パック(GP-2000FS)を標準で装着しているだけでなく、排気がその後方にある高気密のモーターケース内にある高集じんフィルターを通ることによって、微細なゴミを逃さずキャッチする性能となっています。
本体が2.3kgと軽量なことや、運転音が静かなことも女性や高齢の方に嬉しい仕様となっています。
第2位:パナソニック MC-JP820G/MC-PA120G(同率)
2位はパナソニックの2機種が同率で並んでいます。ともに、排気のレベルは「0.5μm以上の微細塵を約99.9%キャッチ」という数字になっています。
日立のCV-KP900Gは「0.3~10μm」であるのに対し、パナソニックは「0.5μm以上」で、また測定方法も自社試験ゴミを使用したものとなりますが、パナソニック最上級の紙パック(AMC-HC12)を標準装着したうえで、さらに2枚のフィルターを通しきれいな排気を出す掃除機です。
MC-JP820G

MC-JP820Gは、キャニスタークリーナーでは吸込仕事率は300Wと標準的ですが、最軽量レベルの本体2.0kg(標準質量3.3kg)で、非常に軽く使いやすいタイプです。何より掃除機は軽くなくちゃ!というかたはこちらがおすすめ。
MC-PA120G

対してMC-PA120Gは、吸込仕事率540Wのハイパワータイプです。それでも本体質量が2.8kgとバランス良く設計されています。よりゴミをしっかり取りたい方はこちらがおすすめ。
第3位:三菱電機 Be-K紙パック式掃除機 TC-GD1Jほか
3位に入ったのは、三菱電機の軽量紙パック式掃除機「Be-K」シリーズの4機種で、TC-GD1J、TC-GM1J、TC-FM1J,TC-FJ1J。すべて排気性能は「0.5μm以上の微細なゴミを99%逃さない」となっています。
どの機種も、三菱電機で最上級の炭紙パック(MP-9)を標準装着し、ゴミもニオイもカット。さらに後方には抗菌フィルターと高性能フィルターで微細なゴミをキャッチします。パナソニックの99.9%には及ばないものの、紙パック掃除機としては廉価帯のモデルでも排気面で良い数字を出しています。
TC-GD1J

筆者のおすすめはBe-Kシリーズの中でもより小型軽量のTC-GD1J。吸込仕事率は標準的な320Wながら本体質量がトップクラスに軽い2.1kgとなっており、パナソニックのMC-JP820Gとコンセプトが似ている機種です。
ふとんがお掃除できる付属品が付いていることや、ブラシに絡んだ毛や糸などを一気にまとめて捨てられる毛がらみ除去機構がヘッドにあることもポイントが高いです。
まとめ
このページでは、現在日本国内販売されている紙パック式掃除機の中で、排気がきれいな順番からご説明してきました。では、他の機種やメーカーはどうかというと、いわゆる排気のきれいさを示す測定値が出ているものは残念ながらありません。
最初にも触れたとおり、紙パック式掃除機からサイクロンクリーナーへ主流が流れ、さらにサイクロンクリーナーからコードレスクリーナーへと流れている現状では、紙パック式の機種の減少は避けられず、以前よりも排気に気を配ったクリーナーも減ってしまいました。
そのため、選択肢としては少ないですが、上記に挙がっている掃除機は排気性能も合格点以上ですし、それぞれ特筆すべき性能があって魅力的なものが多いので、やっぱり掃除機は紙パック式というかたはぜひご参考ください。
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