サイクロン掃除機の排気について:概要
まずはじめに、「サイクロン掃除機」にはコード式のものとコードレスのものとが販売されていますので、当ページでは「コード式のキャニスター型サイクロンクリーナー」を指すこととし、コードレスのスティッククリーナーは「コードレスクリーナーの排気」についてのページにまとめております。
2021年1月現在、国内で流通するコード式のサイクロン掃除機としては、日立、パナソニック、東芝、シャープ、三菱電機、ダイソン、アイリスオーヤマといったメーカーから発売されています。シェアとしては、数年前からコードレスのスティッククリーナーの波に押され気味というのは多くの方が知るところですが、種類も発売サイクルも減少しています。
コード式のクリーナー全体が縮小気味ですが、コードを繋いで使うことで電池の消耗や交換費用を気にする必要がなく、また紙パックのランニングコストも気にしなくていいサイクロン掃除機の需要も引き続きあります。小型・軽量化が著しいスティッククリーナーに比べ、本体が大きめになるので遠心分離の力が強かったり、排気用のフィルターも良いものが付いていたりと排気面でも良い点があります。
当ページでは、2021年1月現在で各メーカーの公式サイトやカタログに掲載のある、現行機種に絞って、最も排気のきれいな機種から順に掲載していきます。
排気のきれいなサイクロン掃除機をランキングで掲載
第1位:日立 パワかるサイクロン CV-SP900H
現在の1位は、日立のプレミアムタイプのサイクロンクリーナーであるCV-SP900Hとなります。
「パワかる」という名の通り、軽量とパワー面の両立を目指したクリーナーであり、本体質量は2.5kg(ホース・ヘッドを含めて4.0kg)。吸込仕事率も300Wと必要十分なレベルです。
そして、肝心の排気性能は「0.3~10μmの塵埃(じんあい)を99.999%捕集」となっており、高性能フィルターと高気密モーターケースにより、クリーン排気を実現しています。これは国際電気標準会議(IEC)の基準で定められている試験ゴミ(0.3~10μm)を使用して測定しており、確かな排気レベルです。
その他にも、押すときも引くときも吸い込むLEDライト付きのパワフルスマートヘッド、最大59dBの静音設計、豊富な付属品なども大きな特長となっている、売れ筋のサイクロンクリーナーです。
第2位:Dyson V4 digital(CY29ABL/CY29FF)/Dyson Ball Fluffy(CY24FF)/DC48THSB(すべて同率)
続く第2位は、ダイソンのサイクロンクリーナーシリーズ4機種が挙げられます。
倒れても自分で起き上がることができるデザインのDyson V4 Digitalは、2018年発売で現在の最新機種です。付属品の違いで2つの種類があります。
そして、3kgを切る小型本体に、大きなゴミも小さなゴミもしっかり取るFluffyヘッドを搭載したDyson Ball Fluffy、そして同じく小型の本体で、2013年から販売されているロングランモデルとなるDC48タービンヘッドとなります。 こちらのヘッドは風の力で回転するため、モーターヘッドではありません。
サイクロン掃除機の元祖として当初から高い遠心分離性能を持っているクリーナーを出し続けているのがダイソンですが、上記の機種すべてが「0.3ミクロン(μm)の微小粒子を99.97%捕らえ、部屋の空気よりもきれいな空気を排出する」という性能になっています。
ダストカップの中央に筒状のプレモーターフィルターがあり、こちらを1年に1度水洗いするだけでよく、本体後方には洗浄不要のポストモーターフィルターでモーターを守っており、遠心分離の力に合わせてこれらのフィルターで微細なゴミをキャッチしているため、高い排気クリーンさを実現しています。
第3位:日立 パワーブーストサイクロン CV-SV90H
第3位は、日立のサイクロン掃除機「パワーブーストサイクロン」CV-SV90Hです。
第1位の「パワかるサイクロン」よりも強力なパワーである吸込仕事率400Wを誇ります。本体質量は3.5kgとその分大きめですが、より強い吸引力でしっかり吸いこむことができる掃除機です。
排気性能は「0.3~10μmのじんあいを99.9%捕集」となっています。CV-SP900Hには及びませんが、十分に高いレベルのクリーン排気となっています。
また、CV-SV90Hはモーター内蔵のヘッドではなく、風の力で回転するエアーヘッドとなっていますので、フローリングや畳中心の家に適しており、運転音も最大59dBと抑えめです。
第4位:パナソニック MC-SR580K/SR38K
4位はパナソニックの「プチサイクロン」MC-SR580K/SR38Kとなります(2機種は主に付属品の違いがあり、本体性能は同一です)。本体質量は2.6kgの小型サイクロンクリーナーです。
この2機種も小型軽量で人気のシリーズで、排気性能は「0.3μm以上の微細じんを約99.9%補じん」となっています。国際基準ではなく「自社試験ゴミでの測定」とはなりますが、高いレベルでの排気性能を発揮しているモデルです。
ダストカップ部分に2箇所の金属部分を使用している「ダブルメタル」構造で、ゴミ捨て以外のお手入れが約2年間不要と謳っています。
また、ヘッドのブラシを改良し、髪の毛やペットの毛がほとんどからまないブラシとなっており、お手入れ面の負担が軽減されています。
5位以下を紹介
第5位:日立 CV-SP300H (0.3~10μmのじんあいを約99%捕集)
第1位のCV-SP900Hと同じ「パワかるサイクロン」。排気レベルと付属品の数が異なっており、本体のパワーや重さ、運転音などは同じとなっています。
第6位:三菱電機 TC-ED2A (0.5μm以上の微細なゴミを99.9%逃さない)
本体質量わずか2.4kg、小ささが人気の「Be-K(ビケイ)」シリーズのサイクロンクリーナーです。小型ながら吸込仕事率も320Wあり、ワイドなヘッドでグングンゴミを吸い取っていきます。
第7位:東芝 VC-SG910X/SG710X/S610X/CF30/CF20A (0.5μm以上の微細塵を約99%捕じん)
東芝のコード式サイクロンクリーナーはすべて同じレベルの排気性能となっています。SG910X、SG710X、S610Xはフィルターレスサイクロン構造の「トルネオV」、CF30とCF20Aは小型軽量の「トルネオミニ」です。
選外:シャープ、アイリスオーヤマのサイクロンクリーナー
有名メーカーの中で、排気性能について言及がなかったのがシャープとアイリスオーヤマです。特に以前のシャープは超高性能フィルターを搭載している時代もありましたが、最近は軽量や使いやすさなど、別の特長にフォーカスしてアピールしています。
アイリスオーヤマについては、近年シングルライフやサブクリーナー需要を中心にシェアを伸ばしているメーカーですが、元々お求めやすい価格帯のため、排気用の高性能フィルターなどは搭載されていません。
まとめ
このページでは、排気のきれいなコード式サイクロン掃除機のランキングを紹介してきました。ここに挙がっている、排気捕集率「0.5μm以上の微細なゴミを約99%捕らえる」レベル以上となっているものであれば、実用的には「排気がキレイ」と言って差し支えないものです。
ただ、赤ちゃんのいる家庭や、花粉やアレルギー等で悩んでいる方などは少しでも排気の良い掃除機を求めることが多いため、より詳細に排気レベルを算出すると上記のランキングになるということです。
なお、各社が測定する排気性能は自社基準ゴミでの測定とIEC(国際電気標準会議)基準のゴミでの測定と分かれていますが、このカテゴリでは搭載しているフィルター性能を重視し、ランク付けししました。