MC-HS700Gはどんな掃除機か
MC-HS700Gは、2013年発売の、パナソニックのサイクロンクリーナーです。
2012年モデル(MC-SS520GX、MC-SS320GX)から大きく変化し、2013年モデルのMC-HS700Gはコード式とコードレスのどちらでも使用できる「ハイブリッドサイクロン掃除機」としてラインナップされています。
しっかりお掃除はコードをつないで長時間、また階段や離れた場所はコードを外してラクラクお掃除という2WAYのお掃除が可能となっています。
もちろん、従来のパナソニックサイクロン掃除機の特長であるパワフル自走ノズル、エコナビ、ダブル反転気流の遠心分離サイクロンなどは継承し、使いやすさも重視しているサイクロン掃除機となっています。
こちらのMC-HS700Gは下位モデルのMC-HS500Gとほぼ同一性能ですが、サイクロンカップ中央部がメタルメッシュシリンダーとなっており、またバッテリーのUSB端子がついており、USBケーブルを繋いでスマートフォンなどの充電ができる機能が搭載されています。
主な特長
コードレス&コード式の使い分けが可能に
キャニスター掃除機では業界初、コードレスとコード式どちらでも使用可能の掃除機となっています。コードレス使用の場合は吸引力の低下がありますが、従来のパナソニック掃除機と同様「パワフル自走ノズル」を搭載していますので、吸引力の低下を補っています。
ハイパワー電池を搭載
MC-HS700Gにはハイパワーのリチウムイオン電池が搭載されており、コードレス使用の場合は強で15分、自動モードで20分の運転が可能。もちろん、コードを繋げば時間制限はありません。また電池も1,500回充電可能の長寿命バッテリーとなっています。バッテリーは本体ごとでも単独でも充電ができます。
USBポート搭載、緊急時のバックアップ電源にも
MC-HS700GのバッテリーにはUSBポートが付いており、ここから給電を行うことで一般的なスマートフォンで通算約60時間の通話が可能になっています。
パワープレスサイクロンでパワーが持続
MC-HS700Gは、ダブル反転気流の遠心分離サイクロンを採用。ゴミと空気を分離しつつ、ダストカップ中央部のメタルメッシュフィルターに付く微細ゴミを防ぎます。
LEDナビライト&ハウスダスト発見センサーでさらにゴミがしっかり取れる
従来モデルにも搭載され、おなじみの「ハウスダスト発見センサー」で微細なゴミも感知するだけでなく、親ノズル・子ノズルの先端に搭載されたLEDナビライトで暗いところもしっかり照らし、取り残しを減少。
静かな運転音
旧モデルのMC-SS520GXほどではないものの、MC-HS700Gは57~約54dB(コードレス使用の場合は53dB)と、プチサイクロン MC-SC31RG/MC-SR31Gと同等レベルの静かな運転音となっています。
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参考価格
MC-HS700Gの発売開始時価格:108,000円
MC-HS700Gのレビュー、使用感
MC-HS700Gは、業界初、キャニスター掃除機で「コードレス・コード式両用」となっているサイクロン掃除機です。パナソニックのサイクロン掃除機のハイエンド機種として、従来モデルから大きく変化して発売となりました。
もともと、コードレスのキャニスター掃除機はパナソニック、日立、東芝など複数のメーカーから発売されていました。そのたびに利便性をメリットとして打ち出し、一定のシェア獲得を狙ってきたのですが、ネックとなっていたのはバッテリーです。
従来機種の多くに搭載されていた「ニッケル水素充電池」は寿命面は良いものの、パワーが出しにくいということで、メイン掃除機として使用するには吸引力が弱いという評価が付いてしまい、各社ともなかなか続かずにいました。
市場が変化したのは2010年頃からで、スウェーデンのエレクトロラックス社が、スティック型コードレス掃除機「エルゴラピードプラス」に、高出力が可能なリチウムイオン電池を採用し2010年6月から発売(ZB2904X)。
また、エレクトロラックスに先駆けてハンディ型掃除機にリチウムイオン電池を採用していたダイソンも、2011年2月に「DC35MH」というスティッククリーナーを発売し、お部屋をお掃除できるコードレスの掃除機市場が一気に広がりを見せました。
ニッケル水素充電池ではパワー不足が懸念されていましたが、リチウムイオン充電池はコストが高く、掃除機として高級価格帯に入ってしまうため、「国内では売れないのではないか」というイメージがあったことも事実で、それを海外メーカーが見事に払拭した形となりました。
対する国内メーカーは、コードレスのスティッククリーナーには行かず(コード式のスティック掃除機は発売されていますが)、2013年2月にシャープがリチウムイオン電池搭載のキャニスター型サイクロン掃除機(EC-DX100)を発売しています。
この流れを受けて、2013年10月にはパナソニックがMC-HS700Gというコード式/コードレスのハイブリッドサイクロンを発売するに至ったというわけです。
MC-HS700Gは本体質量が4.9kgと、小型の筐体に対して重いですが、バッテリーが900gあり、その出力は50.4V。ダイソンのDC62モーターヘッドが22.2V、エレクトロラックスのエルゴパワープラス(ZB5012P)が25.2Vの電池ですから、バッテリーの出力だけでいうと圧倒的なパワーがあります。その分、バッテリーの重さにはね返ってしまったといえるでしょう。実際に持ってみると、小柄に見える本体はずっしりと重く、バッテリーに容量をしっかりと確保しています。
ただ、キャニスター掃除機ですから、本体を持ちながら掃除をしない家庭であればバッテリーパワーがいかんなく発揮されるということになります。運転時間は強モードで約15分、自動モードで約20分となっています。
吸引力は残念ながら非公表で、「コードレス掃除機で最強」と言われ、唯一公表しているダイソンのDC62が吸込仕事率100Wというところを考えると、バッテリーと本体構造を見てもMC-HS700Gも同程度と推測されます。なお、コードを繋げたACモードでは、従来のプチサイクロンのMC-SR31Gなどと同等の300W程度の吸込仕事率が出せます。
一般的なサイクロン掃除機は200~640W程度の吸込仕事率があり、パナソニックの旧モデルも400Wでしたので、パワーの面は劣りますが、利便性とハイブリッド使用というアイデアで勝負といった印象があります。
「どのくらいのゴミが捕れるか」の集塵能力も、おそらく旧モデルと比較するとダウンしています。本体パワーが弱くなっているにもかかわらず、ヘッド部分が同じものになっていることがその理由です。
ダイソンのコードレス掃除機は、バッテリー式のため吸引力がそれほど出ない構造となっているのを、隙間のほとんどない密着性のあるヘッドを採用し、集塵能力を高めています。
本体の大きさはそれほどではなく、パナソニックのプチサイクロンと同じようなコンパクトデザインです。そのため、MC-HS700Gも十分静音ではありますが、トップクラスの静音設計ではなくなってしまったところと、本体内部のULPAフィルターがカットされていますので、排気も一般的なサイクロン掃除機並となってしまった点がマイナス要素です。
価格面も、かなり強気に出ている印象があります。想定価格約10万円で、国内メーカーの家庭用掃除機全機種の中でトップの価格設定です。やはり、バッテリーのコストが相当にかかっているということがありそうです。だんだん値下がりはされていきますが、処分価格で半額程度と考えても5万円なので、かなり掃除機としてはチャレンジしているというイメージがあります。この掃除機が市場をどう切り拓いていくかが興味のあるところです。
仕様(スペック)
型名 | MC-HS700G |
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カラーバリエーション | MC-HS700G-S(メタリックシルバー) |
吸込仕事率 | 300~約100W(コード式時) |
消費電力 | 850~約380W(コード式時) |
本体寸法(幅×奥行×高さ) | 286×342×360mm |
本体質量 | 4.9kg(バッテリー込み)、4.0kg(バッテリーなし) |
ホース、延長管、ノズルを合わせた質量 | 6.8kg(モーターブラシ、バッテリー込み)、5.9kg(バッテリーなし) |
運転音 | 57dB~約54dB |
集塵容積 | 0.4L |
発売年月 | 2013年10月 |