シャープのクリーナーラインナップは、現在はコード式のサイクロン掃除機とコードレスのスティッククリーナーという定番に加え、コードレスのキャニスター型クリーナーをサイクロン式と紙パック式両方で販売しているというユニークなところもあります。
日立やパナソニックといった最大手と比べるとラインナップ自体は少ない印象ですが、独自の特長をもたせたシャープらしい粒ぞろいの機種展開を行っています。
コード式サイクロン掃除機の種類
コード式のサイクロン掃除機としては、2019年11月現在、しっかりとした遠心分離構造をもった上位製品を1ライン2機種、そしてよりコンパクトスリムに重点を置いた1機種の計3機種となっています。
最上位機種のEC-VS510は、本体が2.4kgという軽量に加え、ドライカーボン製のパイプを採用し手元の質量もわずか1.2kgに抑えた軽さが自慢。付属品も多くなっています。
ミドルクラスのEC-VS310も、本体はVS510と同じ形で軽量。どちらも2段階の遠心分離サイクロン構造を持ち、パワーを持続させます。
また、その下位モデルにあたるEC-MS320は本体が同じ2.4kgの重さですが、よりスリムになっており、本体幅わずか17.7cm。デカ車輪を搭載し、狭いところもスイスイと掃除可能です。
コード式サイクロン掃除機の排気クリーンレベル比較表
機種名・型番 | 排気レベル | 評価 | 本体画像 |
2段階遠心分離サイクロン EC-VS510 |
表記なし(「抗菌・消臭高性能プリーツフィルター搭載」の記載はあり) | ||
2段階遠心分離サイクロン EC-VS310 |
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遠心分離サイクロン EC-MS320 |
表記なし(「抗菌・消臭高性能プリーツフィルター搭載」の記載はあり) |
「排気レベル」の記載はなし
シャープのコード式サイクロン掃除機は、全機種ともに排気レベル「○○μmの微細なゴミを△△%キャッチ」という表現がされていません。上位の2モデルには「使い始めのパワーが99%持続」と記載されていますが、これはあくまで風量の持続率であり、正しく排気の質を表したものではありません。高性能フィルターについても、より微細なゴミをどれくらいキャッチするかについては不明なので、残念ながら他社に比べると排気レベルはお世辞にも良いとはいえないようです。
おすすめのコード式サイクロン掃除機としては?
上記の内容を見ると「排気のきれいな掃除機」という観点では、おすすめできるシャープのコード式サイクロン掃除機はありません。
シャープとしては軽量で使いやすく、多彩な機能を搭載しているということに特化しており、その意味では最上位機種のEC-VS510は掃除機全体の重さ3.6kgとキャニスタークリーナーではトップクラスの軽量となっており、非常に使いやすい機種であるのは間違いないです。
ダストカップのフィルターレス化と、ゴミを圧縮する機構があるため、ゴミ捨てやお手入れの手間が低減されているところは良いポイントです。
コードレススティッククリーナーの種類
シャープも他社と同様、もっとも力を入れていると思われるのがコードレスのスティッククリーナーです。2019年11月現在、「ラクティブ エア(RACTIVE Air)シリーズとして4機種が発売されています。
全体の重さ1.9kgで軽量ながら25.2Vの高電圧バッテリー搭載でパワー面を強化したEC-SR系、そして全体の重さ1.5kgという超軽量を実現し、サッと使いやすいEC-AR系で、それぞれ付属品の違いなどで2機種ずつがラインナップされています。
いずれも遠心分離サイクロン構造で、自走式パワーヘッド搭載。バッテリーは本体から着脱しての充電が可能となっているなど、便利機能も多彩です。
コードレススティッククリーナーの排気クリーンレベル比較表
機種名・型番 | 排気レベル | 評価 | 本体画像 |
RACTIVE Air EC-SR3SX |
表記なし(「抗菌・消臭高性能プリーツフィルター搭載」の記載はあり) | ||
RACTIVE Air EC-SR3S |
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RACTIVE Air EC-AR3SX |
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RACTIVE Air EC-AR3S |
コードレススティッククリーナーも排気レベル記載なし
シャープのコードレススティッククリーナーについても排気がどれくらいきれいかについて、具体的な表記はされていません。サイクロン掃除機同様、「抗菌・消臭高性能プリーツフィルター」を搭載し、排気クリーンに配慮はしていますが、数字がないことを考慮し、排気レベルについての評価は高くありません。シャープ公式サポートには下記の画像のとおり、プリーツフィルターや筒型のメッシュフィルターにつく汚れに注意するよう喚起していますので、やはり公表できるようなクリーンさにはなっていないようです。
おすすめのコードレススティッククリーナーとしては?
排気のきれいさ優先で考慮するならイマイチのものになりますが、掃除のしやすさなどのバランス面を考えて、コードレスでありながらパワー面をしっかり確保しているEC-SR3SXが良いのではないでしょうか。ふとんヘッドなど付属品も豊富で家中のアレルゲンを除去できます。また運転時間についても標準で最大60分使用可能に加え、スペアバッテリーがもう一つ付属しており、充電切れになっても安心です。
コードレスのキャニスタークリーナーという第三の選択肢
シャープは、クリーナー製造メーカーの中では現在珍しく、コードレスのキャニスター(横型)クリーナーを発売しています。こちらも「RACTIVE Air(ラクティブ エア)」シリーズです。
2ラインあり、コードレスのサイクロン式キャニスタークリーナーであるEC-AS系2機種と、同じくコードレスの紙パック式キャニスタークリーナーであるEC-AP系2機種の計4モデルとなります。どちらも2機種は付属品の違いとなります。
いずれも本体1.8kgで軽量ボディとなっており、最長で30分の連続運転が可能。また、形状は違いますが、すべてモーター式のパワーヘッドを搭載しています。
コードレスキャニスタークリーナーの排気クリーンレベル比較表
機種名・型番 | 排気レベル | 評価 | 本体画像 |
RACTIVE Air (サイクロン式) EC-AS710 |
表記なし(「抗菌・消臭高性能プリーツフィルター」と「Ag+アレルディフェンスフィルター」搭載の記載はあり) | ||
RACTIVE Air (サイクロン式) EC-AS510 |
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RACTIVE Air (紙パック式) EC-AP700 |
表記なし(「プレミアム抗菌・高捕集5層紙パック」と「アレルディフェンスフィルター」搭載の記載はあり | ||
RACTIVE Air |
排気レベルの記載はこちらもなし
コードレスのキャニスタークリーナーも、他のカテゴリーと同様に排気がどのくらいクリーンかについては具体的な数値は表示されていません。
サイクロン式についてはすでに述べたとおりでフィルターが装着されていることが表記されているまでに留まっており、他社と比べるとどうしてもアピールとして弱いです。
紙パックについても、シャープで最上位にあたる紙パックを標準装備しているのですが、肝心の紙パックの微細なゴミ捕集率が非表示となっているため、こちらもどれくらい排気がきれいになっているかはわからないままです。他社に比べてこのあたりも厳しい評価にならざるを得ません。
おすすめのコードレスキャニスタークリーナーとしては?
パワーブラシタイプのキャニスターサイクロン掃除機において世界最軽量を誇っているEC-AS710がこの中ではおすすめです。クリーナー全体で2.9kgと持ち運びながらの掃除でも苦にならない重さで、なおかつふとん掃除パワーヘッドやスペアバッテリーなど付属品も充実しています。
まとめ
以前のシャープのクリーナーはもっと排気クリーンに配慮し、具体的な微細ゴミ捕集率を表示していた機種もあったのですが、現行モデルはどの機種も小型軽量化を優先しており、排気のレベルは下がっているので具体的に表記しないようになったと筆者は予想しています。
世間の需要がスティッククリーナーを中心とした手軽なクリーナーに移行したなかでのトレードオフとして仕方のない部分だと思いますし、他社にはない軽量タイプなど独自の路線を行くシャープのクリーナーとしては軽さや同等機種が他社より安く買える傾向にあることも同社の魅力です。